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日本酒の起源

日本酒の起源がいつであるかは明確には分かっていません。酒の存在を示す最古の記録として、3世紀頃の日本について記述された『魏志倭人伝』の中に『人性酒ヲ嗜ム』との葬送の習俗に酒を飲用していることが記されています。その後、奈良時代に記された『大隈国風土記』には、『米を噛みて“さかふね”に吐き入れて…』という記載があり、原料の『米』を噛んで唾液の酵素・アミラーゼでアルコール発酵させた、『口噛み酒(くちかみさけ)』があったという記録があります。酒を『醸す(かもす)』といいますが、これは『噛むす(かむす)』に由来しているといわれています。

現在のような米麹を使用した『清酒(すみさけ)』と呼ばれる酒造りは、奈良時代初期の『播磨国風土記』に初めて記されており、さらに平安時代に入ると酒は帝や公家を中心とした上流階級の嗜好品としてもてはやされていきました。927年に朝廷が発布した『延喜式』には酒の種類や造りについて細かく規定されています。以後、時代とともに酒造りは変化を遂げ、現在の製造法の原形は幕末に完成されました。明治以降にはヨーロッパから近代科学が導入されたことで、さらに酒造りは発展することとなりました。

大吟醸酒の製法

酒造りの際、大事な工程は『一 麹、二 酛(もと)、三 造り』といわれます。原料米の精米歩合が高く、一般的に高級酒とされる大吟醸酒の製法について、盛田を例にご紹介します。

精米、洗米、浸漬、蒸し

原料となる酒造好適米の兵庫県産山田錦を60~70時間かけて玄米から白米に精米します。その精米歩合は最高級の大吟醸で35%まで磨き上げます。その後、白米は2週間程度の枯らし期間を経て洗米されます。洗米により米表面の糠を取り、浸漬により必要に応じた水分を米に吸わせ、水切り後5時間程度置いた後に甑(こしき)を用いて蒸し上げます。

製麹

蒸し上がった米は、使用する用途により冷却温度を変えます。麹にする米は、温かいうちに麹室に入れ、種麹を振りかけて混ぜます。その後、山にして布で保温して一昼夜、30度程度の室で麹菌の繁殖を促します。一昼夜経つと麹菌の繁殖も盛んになり、品温も上がってくるので、蓋と呼ばれる木箱に小分けして温度管理を行い、麹菌に酵素を造らせます。最高温度は43度程度まで上げ、麹室に入れてから52時間程度で出麹となり、麹の完成です。

酒母(酛)造り

麹、水、乳酸の中に酵母を入れて培養し、酒母を造ります。酵母はもろみの中でアルコールを発酵するという役割があります。この酒母造りで大切なことは、雑菌を防ぐための乳酸菌をいかに存在させるかという点です。

仕込み、上槽

仕込みタンクに酒母、麹、蒸米、水を入れます。麹、蒸米、水は3回に分けて入れられ(三段仕込み)、それぞれ量も温度も変えます。その後、櫂(かい)で攪拌し、これを『もろみ』と呼びます。『もろみ』はタンク内で化学変化を起こし、最初に麹が造った酵素によって甘くなり、酵母のアルコール発酵によって徐々に辛くなります。温度管理により糖化と発酵を調節し、30~40日程度かけて酒にします。直前に醸造アルコールを添加して、布で濾して原酒と酒粕に分ける工程を上槽と言い、原酒は熟成期間を経て壜詰めされ製品となります。

※参考資料:
「醸造学」野白喜久雄・小崎道雄・好井久雄編著 講談社
「日本酒百味百題」小泉武夫監修 柴田書店)
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