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醤油の起源

醤油は鎌倉時代の禅僧である覚心が中国の修行から戻り伝えた、『径山寺味噌(きんざんじみそ)』であるといわれています。大豆、小麦、塩を加えてここに野菜を漬け込み、米麹で発酵させたこの保存食は、覚心によって現在の和歌山県・湯浅地方に伝わると、味噌の上澄みとして『溜まった』液体が調味料として使われるようになり、この『たまり醤油』が現在の醤油の原型であるとされています。

それ以降、湯浅で広まった醤油は海を渡り、千葉県・銚子や野田といった関東地域に伝えられたことで、本格的に醤油醸造の歴史が始まりました。江戸時代に入ると、『下り醤油』と呼ばれた関西から運ばれる溜り製法の醤油に対して、江戸の人々の嗜好に合うような、大豆と小麦を原料とする『地回り醤油』と呼ばれた、現在の濃口醤油の原型が造られるようになります。銚子や野田は水運の発達もあり、醤油醸造の一大産地としてますます発展していき、その他、濃口醤油では香川県・小豆島、淡口醤油では兵庫県・龍野、たまり醤油では愛知県、岐阜県、三重県などがそれぞれ地域の個性を反映した醤油の産地として知られるようになっていきました。

本醸造による濃口醤油の製法

『一 麹、ニ 櫂(かい)、三 火入れ』ともいわれるのが醤油造りです。醤油の中でも最も多く造られている濃口醤油の製造工程について、マルキン忠勇の天然醸造蔵で造る醤油を例にご紹介します。

種麹、大豆、小麦の混合と製麹

原料の大豆は水に浸して十分に水をしみこませて、圧力をかけて蒸します。また、小麦は炒ったあとに細かく砕かれます。これら大豆、小麦と種麹を混ぜ合わせ、麹菌がよく生育するように温度と湿度を調整し、麹の温度を調節するため「手入れ」を行い、約45時間で麹ができあがります。

仕込み、攪拌、熟成もろみ

でき上がった麹には食塩水が加えられ、天然醸造蔵に仕込まれ『もろみ』となります。醸造中は発酵を促すためにもろみはよくかき混ぜられます。そして約1年後に『熟成もろみ』となります。

圧搾、生澄まし、火入れ

熟成したもろみは布に広げられて重ねられ、上に重りをのせて大きな力でゆっくりと約40時間かけて醤油が搾られていきます。搾られた生醤油は澄まされ、さらに醤油の仕上げ段階といえる『火入れ』を行い、濾過されて醤油ができ上がります。この後に、品質検査などを経て容器に詰められ、醤油製品として完成します。

※参考資料:
「醸造学」野白喜久雄・小崎道雄・好井久雄編著 講談社
「醤油 至宝の調味料1」アスペクト編 アスペクト
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